事業を決める4つのポイント 2006.02.20

最近、ジャパンプレシャスの横内さんと話したり、ルームスやギフトショーを見ていて、改めてブランドってコンセプト(狙いどころ)が大切なのだと思いました。
どのようなブランドなのか、説明を聞くだけでも(商品を見なくても)、「それはスゴイ」とか「そんな商品なら売れるよね」とか「なるほど人気がでるはずだ」とか思えてしまうものがあるのです。

ということで、私が考えるコンセプトの4つのポイントを挙げてみようと思います。この4つのポイントが重なったところに自社ブランドがあるならば、成功に近いのだと思います。
1)お客様が求めている
2)自分の強みが活かせる
3)自分が熱中できる
4)オンリーワンのものがある

4つは内容が似ている部分があり、厳密には分かれていないのですが、一つずつ簡単に解説します。

1)お客様が求めている
これはたくさんの意味がありますから、自分で掘り下げてほしいのですが、例えばトレンドを反映していることもその一つです。トレンド=消費者の欲しい気持ちの向かっている方向です。その方向を先取りして提案することで、お客様の支持が得やすくなります。
ブランド構築というのは、お客様の獲得競争のようなものです。魚が全くいないところに針を垂らしていても、いつまで立っても魚は連れません。魚群の進む方向を見据えて、その先に針を垂らしておくのです。
もちろん、群れからはぐれた大物を釣ろうとするのも良いでしょう。しかし、針に掛かる可能性は低いのです。どちらを取るかは自由です。

2)自分の強みが活かせる
簡単に言うと、強みとは「最も試行錯誤してきたこと」だと思います。それは例えば加工技術であったり、素材の用い方であったり、販促ツールの作り方かもしれません。自分で作ったものに納得いかず、さらに良いものを作ろうとして精進する、という積み重ねが強みになるのです。こだわりと言い換えてもい
いかと思います。「このぐらいでいいや」と見切るのではなく、常に「もっとよくしよう」と思っていることがあるか、考えてみてください。

多くの製造業者では、もったいないことに自社の強みを認識していないことが多いようです。認識していないので、「やったことはないけれど、何となく儲かりそう」な分野に進出したくなるのです。逆に、創業期のブランドだと、「強み」と言えるほどの強みが育っていないこともあります。広く浅く手がけたものは強みになりにくいのです。これだけは絶対負けない、自慢できる、といえるものがあるでしょうか?

3)自分が熱中できる
お客様はデザイナーが熱中しているエネルギーに巻き込まれてファンになるのです。「このデザイナーってスゴイ」と思わせることで、お客様もブランドに共感、熱狂するのです。
この「スゴイ」って思わせることができるほどのコダワリとか、深みとか世界観は、デザイナーが熱中するからこそ生まれるのだと思います。好きなことに熱中して時間を忘れて作りあげた「これはやりすぎかな」と思うデザインが、まわりから評価されたりするのです。
もちろん大会社なら仕事として冷静に計算して作っても営業力があるので売れるでしょう。しかし小さなブランドが、計算づくでお客様を夢中にさせようとしても、小手先のテクニックではすぐばれてしまいます。

4)オンリーワンのものがある
前回のメルマガで戦わない、ということを少し説明しました。「○○○と言えば私のブランドが一番です」ということが言えるような、カテゴリー設定をするのです。ナチュラルな革のアクセサリーなら、とか、龍の手描き柄なら、とか、オーストラリアの原住民テーストのシャツなら等、とにかく他には競争するブランドがいない(少ない)ように設定するのです。
ということは、自分で設定するカテゴリーの知識や情報、ノウハウについては達人、先生と呼ばれるようになっている必要もあるでしょう。
ファッション関連のように成熟して、ブランドが乱立している状況では、新たなカテゴリーを見つけ出せれば伸びる可能性があります。

1番目のお客様が求める、というのと、このオンリーワンというのは、逆のことのように思えますが、ビジネスとして成功することを考えると「多くのお客様が求めているけれど、提供者が少ないカテゴリー」という両方をどのようにバランスさせるか、ということがポイントなのです。

それで、この4つが揃っていると、話を聞いてるだけで「これは人気になる」と思えるのです。